デジタル原則を踏まえたアナログ規制見直し概要~ゼネコン・サブコン編~
日本政府は、デジタル社会の形成を目指し、アナログ規制の見直しに取り組んでいます。具体的には、デジタル原則に基づき、新たな付加価値を生み出しやすい社会を創るため、アナログ規制の一掃に向けた取組を進めています。このアナログ規制緩和は建設業にも大きな影響を及ぼすと考えられており、今回はゼネコン・サブコン業界に与える影響について解説していきます。
目次(この記事でわかること)
目視規制の見直し
これまで特定元方事業者による現場の安全巡視については、原則として人が現地に赴き、現場の状況を確認することが求められていました。これは労働安全衛生法(第30条第1項第3号)によって定められているものですが、現在厚生労働省労働基準局安全衛生部により見直しが進められています。
出典元:特定元方事業者による作業場所の巡視について (digital.go.jp)
令和4年6月にデジタル庁によって作成されている方針確定リストによると、現在特定元方事業者による作業場所の巡視についてはPHASE2に該当しています。安全衛生水準の低下を招かないことが前提とはなりますが、スマートフォンやウェアラブルカメラを用いた遠隔化の実証実験も進められており、今後目視規制の緩和は段階的に進んでいくものと思われます。
常駐専任義務の改革
令和2年10月1日に改正された建設業法により、監理技術者の専任要件が緩和されました。これにより、監理技術者の職務を補佐する者を専任で配置した場合、監理技術者の兼任が可能になりました。具体的には、工事現場において「巡回管理+遠隔管理」によって施工の技術上の管理を担保することで、監理技術者の専任要件を緩和できる場合があります。
但し、下記条件を満たす必要がありますので、ご注意ください。
- 分任支出負担行為担当官工事であること
- 兼務する工事が維持工事同士でないこと
- 監理技術者補佐は直接的かつ恒常的な雇用関係にあること
- 特例監理技術者が兼務できる工事数は2件までであること
- 特例監理技術者が兼務できる工事は、特例監理技術者としての職務を適正に遂行できる範囲内にあること
- 特例監理技術者は施工における主要な会議への参加、現場の巡回及び主要な工程の立会い等の職務を適正に遂行できること
- 特例監理技術者と監理技術者補佐との間で常に連絡をとれる体制であること
- 監理技術者補佐が担う業務等について明らかにすること
※適宜見直しがかかる可能性がございますので、ご注意ください。
常駐専任義務の規制緩和の課題は?
この改正により、監理技術者の効率的な配置や、より多くの工事に対応することが可能となることが期待される一方で、遠隔管理による安全性や品質の確保、適切な判断の難しさなどが課題としてあげられています。
現在、様々な現場の遠隔ツールが出ていますが、現場で利用し、定着するためには「使いやすいこと」が重要であると考えています。こちらの記事でもご紹介していますので、ぜひご参考ください。
まとめ
今回はアナログ規制緩和がゼネコン・サブコン業界に与える影響について解説いたしました。どちらも現場の生産性向上に間違いなく貢献すると思いますが、共通して必要となってくるのがカメラやドローンなどの遠隔化をサポートする機器になります。扱いが難しい機器は現場の職方から敬遠されがちですが、弊社が提供しているSynQ Remoteは普段皆さまがご利用されているスマートフォンを利用かつ簡単操作のサービスとなっており、導入に対する心理的ハードルが非常に低いのが特徴です。皆さまの現場で遠隔化を推進される場合には、是非SynQ Remoteをご検討いただけますと幸いです。