SynQブログ

デジタル原則を踏まえたアナログ規制見直し概要~ハウスメーカー編~

 日本政府は、デジタル社会の形成を目指し、アナログ規制の見直しに取り組んでいます。具体的には、デジタル原則に基づき、新たな付加価値を生み出しやすい社会を創るため、アナログ規制の一掃に向けた取組を進めています。このアナログ規制緩和は建設業にも大きな影響を及ぼすと考えられており、今回はハウスメーカーに与える影響について解説していきます。

アナログ規制の7分類

 代表的なアナログ規制は、目視規制、実地監査規制、定期検査・点検規制、常駐・専任規制、対面講習規制、書面掲示規制、往訪閲覧縦覧規制7つに分類することができます。( )内にある件数は、見直しが必要な条項数であり、約1万条近くのアナログ規制に国が動き出したことになります。

  1. 目視規制(人の目で確認する:2927件)
  2. 実地監査規制(現地に赴いて確認する:1034件)
  3. 定期検査・点検規制(定期的に検査・点検する:74件)
  4. 常駐・専任規制(専任の担当者が常駐する:1062件)
  5. 対面講習規制(講習を対面で実施する:772件)
  6. 書面掲示規制(紙ベースで情報を掲示する:217件)
  7. 往訪閲覧縦覧規制(公的機関への訪問者にのみ情報を開示する:1446件)

デジタル原則を踏まえたアナログ規則見直し概要~ハウスメーカー編_05-1

ハウスメーカーに関連するアナログ規制について

アナログ規制の中でも特にハウスメーカーに関連するものは、施工段階における「目視規制」、「往訪閲覧縦覧規制」が該当すると思われます。

SynQRemoteスライド用素材

「目視規制」の状況

①現場の安全巡視の遠隔化

 これまで特定元方事業者による現場の安全巡視については、原則として人が現地に赴き、現場の状況を確認することが求められていました。これは労働安全衛生法(第30条第1項第3号)によって定められているものですが、現在厚生労働省労働基準局安全衛生部により見直しが進められています。

▶厚生労働省-特定元方事業者による作業場所の巡視について

②建築物の中間検査・完了検査の遠隔化

 生産年齢人口が減少する中で建築物の安全性を担保するため、デジタル技術も活用しつつ、持続可能な審査・検査体制の確保が求められています。建築基準法に基づく中間・完了検査について、確認検査員等がリモートで検査を行うことにより、移動時間の削減や一日当たりの検査箇所数の増等が可能となり、生産性向上や働き方改革に資すると期待されています。建築基準法上リモート検査は可能であるが、実施にあたっての基本的な考え方を指針として公表することで、実施に向けた環境整備を行っております。なお、「デジタル原則を踏まえたアナログ規制の見直しに係る工程表」(令和4年12月デジタル臨時行政調査会)において、令和6年6月までに中間・完了検査の遠隔実施を可能とする旨の通知等の発出を行うこととされていますが、すでに一部は令和4年5月9日(国住指第1616号)に国土交通省より建築基準法に基づく完了検査の受検側の立ち合いは、デジタル技術を活用して遠隔から実施することが可能であるとの通知がなされています。

▶国土交通省-デジタル技術を活用した建築基準法に基づく完了検査の立ち合いの遠隔実施について

「往訪閲覧縦覧規制」の状況

 建設業法等では、建設業者に対し、現場ごとに、施工体系図や標識(建設業許可票)を掲示する義務が課せられていますが、その際の手段について、デジタル技術の活用による効率化等を図る観点から、令和4年1月の通知により、デジタルサイネージ等を活用した方法や一定の条件の下でインターネットを利用する方法が認められています。 

SynQRemoteスライド用素材-3

まとめ

 今回はアナログ規制緩和がハウスメーカーに与える影響について解説いたしました。いずれも現場の生産性向上に間違いなく貢献すると思いますが、人手不足の中、企業の業績や働き方により影響を及ぼすのが「目視規制」であり、その対応が今後急務となってくると考えます。その際に必要となってくるのがカメラやドローンなどの遠隔化をサポートする機器やサービス、システムになります。扱いが難しい機器は現場の職方から敬遠されがちですが、弊社が提供しているSynQ Remote(シンクリモート)は普段皆さまがご利用されているスマートフォンでの利用かつ操作が簡単なサービスとなっており、導入に対する心理的ハードルが非常に低いのが特徴です。皆さまの現場で遠隔化を推進される場合には、是非SynQ Remote(シンクリモート)をご検討いただけますと幸いです。

▶ゼネコン・サブコン編はこちら!

 

この記事を書いた人

デモ・ご利用事例・
料金プランの
説明を
Webで行なっています。


お気軽にお申し込みください。