SynQブログ

デジタル原則を踏まえたアナログ規制見直し概要~製造業編~

 日本政府は、デジタル社会の形成を目指し、アナログ規制の見直しに取り組んでいます。具体的には、デジタル原則に基づき、新たな付加価値を生み出しやすい社会を創るため、アナログ規制の一掃に向けた取組を進めています。このアナログ規制緩和は製造業にも大きな影響を及ぼすと考えられており、今回は製造業に与える影響について解説していきます。

アナログ規制 デジタル化の背景

 アナログ規制とは、紙ベースの文書や対面での手続きなど、デジタル技術を活用しない形で行われてきた様々な業務プロセスのことを指します。これらの規制は、かつては安全性や信頼性を確保するために必要不可欠でしたが、現代ではデジタル技術の発展により、それらの機能をデジタル化することで、より効率的かつ柔軟な対応が可能になっています。
 このような背景のもと、デジタル庁はアナログ規制の見直しに積極的に取り組んでいます。特に、製造業におけるデジタル化推進に向けて、法規制やガイドラインの整備、支援策の拡充など、多角的なアプローチで支援を進めています。これにより、製造業におけるデジタル技術の活用が加速され、新たなビジネスモデルの創出や効率化が期待されています。

製造業に関連するアナログ規制について

 代表的なアナログ規制は、目視規制、実地監査規制、定期検査・点検規制、常駐・専任規制、対面講習規制、書面掲示規制、往訪閲覧縦覧規制7つに分類されます。製造業に関連するアナログ規制の分類としては、以下4つが挙げられると考えます。

デジタル原則を踏まえたアナログ規則見直し概要~製造業編

  • 目視規制(人の目で確認する)
    製造現場では、品質管理や安全確認など、目視による検査が頻繁に行われます。デジタル技術の導入により、自動化された視覚検査システムがこれを代替する可能性があります。
  • 実地監査規制(現地に赴いて確認する)
    工場や製造設備の安全性や品質管理の監査では、実際に現場を訪れる必要があるケースが多く見られます。デジタルツールやリモート監査技術の活用により、これらのプロセスが効率化される可能性があります。
  • 定期検査・点検規制(定期的に検査・点検する)
    製造機械や設備の定期的な検査・点検は、故障の未然防止や品質の維持に不可欠です。センサー技術やIoTの導入により、リアルタイムでの機械状態の監視が可能になり、効率的な保守管理が実現できます。
  • 常駐・専任規制(専任の担当者が常駐する)
    特定の安全管理や品質保証の担当者が工場や製造現場に常駐する必要がある場合があります。デジタル化により、遠隔からの監視や管理が可能になることで、このような規制も見直されるかもしれません。

デジタル原則で製造業の負担はどう減るのか

 アナログ規制の撤廃とデジタル技術の活用により、多くの業務プロセスが遠隔で可能になり、作業効率の向上やコスト削減、さらには品質の向上が期待されます。

スライド用素材 (1980 x 1280 px) (1)

▼メンテナンスと修理
 これまでは機械や設備の故障時には技術者が現地に出向いて診断と修理を行う必要がありました。しかし、IoT技術の活用により、機器からリアルタイムにデータを収集・分析し、遠隔地からでも状態を把握し対処が可能になります。特に、予測保全により故障を未然に防ぐことが可能となり、遠隔からの診断やファームウェアのアップデートによる修理、設定変更が実現しています。

▼品質検査
 製品の品質検査においては、従来、検査員が直接製品を目視や手作業で検査していました。デジタル化により、画像認識技術を用いた自動検査システムが導入され、高速かつ高精度な検査がリモートで可能になります。これにより、人的ミスの削減や作業効率の向上が見込まれます。また、検査データのデジタル化により、品質改善のための分析がより容易になります。

▼研修とトレーニング
 新入社員教育や技術研修などは対面形式で実施されることが多く、場所や時間の制約がありました。デジタル技術を活用することで、オンラインでの研修やトレーニングが可能となり、ビデオコンテンツの視聴やバーチャルリアリティ(VR)を使用した実践的なトレーニングがどこからでも受けられるようになります。これにより、時間や場所に縛られず、効率的かつ柔軟な人材育成が可能になります。

製造業のデジタル化は容易ではない

SynQRemoteスライド用素材 (1)

 一方で、製造業のデジタル化はそう容易いものではありません。最新技術の導入には、かなりの初期投資が必要であり、中小企業にとっては大きなハードルになります。また、デジタル化を成功させるには高度な技術知識が必要ですが、社員教育には時間とコストがかかり、これもまた大きな課題となってくるでしょう。さらに組織に浸透させるには、変化に対する抵抗感や新技術への不安が、デジタル化の足を引っ張ることがあります。 

 これらの課題に対処するためには、段階的な技術導入、人材育成・外部協力の促進、政府支援の活用、そしてコミュニケーションと従業員の関与を重視することが重要です。
特に、中長期的な視野でデジタル化の戦略を立て、継続的な改善と評価を行うことが成功への鍵となります。また、デジタル化は単なる技術導入ではなく、企業文化や働き方の変革も伴うため、経営層から現場の従業員まで、全員が一丸となって取り組む姿勢が不可欠です。

まとめ

 今回はアナログ規制緩和が製造業に与える影響について解説いたしました。製造業のように既存の設備システムを刷新したり、一気にDXを進めることは困難であることも確かです。しかし、今後ますます深刻になる人手不足において、デジタル化を進めることは急務となっています。扱いが難しい機器は現場の職方から敬遠されがちですが、弊社が提供しているSynQ Remote(シンクリモート)は普段皆さまがご利用されているスマートフォンでの利用かつ操作が簡単なサービスとなっており、導入に対する心理的ハードルが非常に低いのが特徴です。皆さまの現場で遠隔化を推進される場合には、是非SynQ Remote(シンクリモート)をご検討いただけますと幸いです。

▶ゼネコン・サブコン編はこちら!

▶ハウスメーカー編はこちら!

この記事を書いた人

デモ・ご利用事例・
料金プランの
説明を
Webで行なっています。


お気軽にお申し込みください。