SynQブログ

工事現場のウェアラブルカメラとは?一目で分かる製品比較表付き

 ウェアラブル = 着る(Wear) + ことができる(able)カメラを導入する工事現場が増えています。2024年現在でのウェアラブルカメラのメリット・デメリット、コスト、活用事例を比較表を使いながら解説いたします。

次世代工事現場を目指すウェアラブルカメラとは?!

ウェアラブルカメラとは、英語ではWearable Cameraと書き、着る(Wear) + ことができる(able) カメラ。つまり、身体に装着して使用するカメラのことです。

工事現場で使用されるウェアラブルカメラは、作業員がヘルメットや胸、肩などに装着し、作業中の映像をリアルタイムに遠隔で見たり、記録をしたりするためのものです。両手が空いた状態で撮影が可能になることが最大の利点でしょう。
また、スマートフォンウェアラブルカメラに使う取り組みなども合わせて紹介いたします。

ウェアラブルカメラの種類

ウェアラブルカメラの種類は、1.ヘルメット型、2.ヘッドセット型、3.メガネ型の主に3種類です。現在工事現場向けに販売されている製品の多くは一つの形だけではなく、アダプターを用いて様々な形で使えるものが多いです。ウェアラブルカメラの種類

それぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。ウェアラブルカメラ機能比較
具体的にご説明します。

1.ヘルメット型

ヘルメット型ウェアラブルカメラは、作業員のヘルメットにヘッドストラップを固定し、アダプターを介してカメラを取り付けるタイプのカメラです。両手が自由に使えるため、作業効率が向上し、安全性が高まります。

メリット

    • 安定した視点
      カメラが頭部に固定され、作業員の視点とほぼ同じ映像が得られます。

    • 防護機能
      ヘルメットが防護具として機能し、作業員の安全を確保しカメラを使用できます。

デメリット

    • 重量の増加
      ヘルメットにカメラを取り付ける為、重量が増加し、長時間使用する場合に疲労感を感じることがあります。

    • 視野の一部遮蔽
      カメラが取り付けられている部分が視野を一部遮る可能性があります。

    • バッテリー寿命
      高性能なカメラはバッテリー消費が激しく、長時間の使用には追加のバッテリーが必要となることがあります。

代表的な製品

2.ヘッドセット型

ヘッドセット型ウェアラブルカメラは、耳に掛けるタイプのカメラで、作業員の「目」の高さに最も近くなるのが特徴です。小型ながら音声のやり取りも可能で、リアルタイムなコミュニケーションができます。。

メリット

    • 軽量で装着感が良い
      軽量設計のため、長時間の使用でも疲れにくいです。

    • 広い視野
      カメラが視界を遮らないため、作業員は広い視野を確保できます。

    • 高い機動性
      耳に掛けるだけなので、すぐに着脱が可能で、機動性が高いです。
    • 音声通信
      音声のやり取りが可能で、リアルタイムのコミュニケーションができます。。

デメリット

    • 耳への負担
      長時間使用すると耳に負担がかかることがあります。。

    • ずれやすい
      激しい動きがあるとヘッドセットがずれることがあるため、安定性が問題となる場合があります。

    • 音声認識の限界
      音声コマンドを使用する場合、周囲の騒音が影響することがあります。

代表的な製品

3.めがね型

メガネ型ウェアラブルカメラは、メガネにカメラを組み込んだタイプで、メガネをかけるように気軽に装着できるのが特徴です。カメラ位置が撮影者の目線の高さにあり、再現性の高い映像が撮影できます。。

メリット

    • 自然な視点
      メガネを装着するだけで、視点と同じ映像を記録できます。

    • 長時間快適
      メガネ型のため、長時間装着しても快適です。

デメリット

    • 視力矯正が必要
      視力矯正が必要な場合、特別なレンズが必要となります。

    • カメラの位置調整が難しい
      カメラの位置調整が難しく、理想的な映像が得られない場合があります。。

    • 耐久性がやや低い
      メガネとしての構造上、耐久性が低くなる場合があります。。

代表的な製品

エプソン Moverio BT-35E オープンプライス(7-8万円)

各製品の仕様は以下の通りです。

【SynQ Remote】ブログサムネイル (6)                                                                              製品比較表

工事現場での活用するメリットは?

工事現場でウェアラブルカメラを使用する際のメリットを3つに分けて説明いたします。

  1. 安全管理の強化

    安全管理強化の観点として、事故防止と迅速な対応に役立ちます。
    ウェアラブルカメラは、作業員の視点からリアルタイムで映像を監視することができ、危険な状況を即座に認識して対応することが可能です。

    これにより、事故発生前に予防策を講じることができ、作業員の安全性が向上します。例えば、ヘルメット型カメラを使用して作業員の動きを常時監視し、安全基準に違反する行動を即座に是正できます。

  2. 作業効率の向上

    作業効率向上の観点として、DX(デジタルトランスフォーメーション)と働き方改革に役立ちます。
    DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを革新し、価値を創出することです。ウェアラブルカメラを活用することで、現場のDXを推進し、働き方改革を実現します。リアルタイムで現場の映像を遠隔地の専門家に送信することで、作業員が直面する問題に対して即座に指示を受けることができます。

    これにより、作業効率が大幅に向上し、問題解決の速度が速まります。ウェアラブルカメラを使用することで、作業員が両手を自由に使いながら指示を受けることができるため、作業の中断を最小限に抑えることができます。
    働き方改革とは、働き方の多様化や柔軟化を進めることで、労働生産性を高める取り組みを指します。

  3. 進捗管理と記録保存

    進捗管理と記録保存の観点として、ナレッジベースの構築と品質管理に役立ちます。ナレッジベースとは、組織内の知識を体系的に整理し、共有するための情報基盤です。ウェアラブルカメラを使用して作業の進捗状況を記録し、後から確認することで品質管理が強化されます。
    記録された映像は、ナレッジベースの一部として蓄積され、他の作業員や新入社員の教育資料として活用することができます。また、記録映像を基に作業の振り返りや改善点の特定が容易になります。ウェアラブルカメラを装着した作業員が撮影した映像は、作業の細部まで捉えることができ、工程ごとの進捗状況を正確に把握するための重要なデータとなります。

なぜ今ウェアラブルカメラの導入が必要なのか?

なぜ今(2024年)にウェアラブルカメラの導入が必要なのかについてまとめます。

国土交通省が推進する遠隔臨場

国土交通省が推進する遠隔臨場とは、現場に出向かずに遠隔地から監督や検査を行うことができるシステムです。これにより、現場での作業の透明性が向上し、効率的な管理が可能となります。遠隔臨場は、特に大規模な工事現場や複数の現場を監督する場合に有効です。ウェアラブルカメラを活用することで、現場の映像をリアルタイムで本社や管理者に送信し、適切な指示を即座に受けることができます。

建設現場における遠隔臨場に関する実施要領でも何度もウェアラブルカメラについて言及されています。

国土交通省が推進する遠隔臨場

遠隔臨場について

出典 国土交通省:遠隔臨場による工事検査に関する実施要領 (案)


監理技術者の兼任条件緩和について

2024年6月現在、閣議決定前の「監理技術者等の専任制度の検討方針」で、遠隔施工管理等の活用による兼任制度の新設が進められています。

現行制度では、請負金額4000万円以上(建築一式工事の場合8000万円以上)の工事では監理技術者は専任である必要があります。しかしながら遠隔施工管理の活用により、請負金額が4000万円~1億円の工事(建築一式工事は8000万円~2億円)は管理技術者の兼任が認められるように調整されています。

兼任可能条件は工事現場に関する条件、施工体制に関する条件、運用の考え方などのいくつかの条件があります。その中に以下のようなICT環境というものがあります。

  • それぞれの現場の状況を適時適切に把握し、速やかに指示が出せる環境
  • 遠隔地から現場の状況をリアルタイムで確認し、コミュニケーションが図れる環境
  • Web会議等による進捗の確認や工程会議への参加

このように遠隔地からウェアラブルカメラ等の映像をWeb会議システムなどを使ってリアルタイムで確認する環境を整えることで、監理技術者の兼任が可能になる工事が増える見込みです。


 

遠隔管理・支援に使える他のカメラ

遠隔管理に使える他のデバイスを紹介いたします。
固定カメラスマートフォンアプリによる現場監視・管理方法の特徴を比較しました。固定カメラは、継続的な監視と高解像度の映像提供が特徴ですが、設置コストが高く、視点が固定されるため、全体の動きを把握するのが難しいことがあります。一方、スマートフォンアプリは、柔軟な対応と低コストでの運用が可能ですが、バッテリー依存や通信コストの問題があるため、用途に応じて使い分けが必要です。

ウェアラブルカメラ等を使用した遠隔管理活用事例

実際の活用事例を紹介いたします。

岩田地崎建設株式会社

https://www.ipros.jp/product/detail/2000849120/

高精度揺れ補正で、映像酔いすることなく、ワンタッチ接続サービスで本部から、いつでも見たい時に現場カメラにアクセスできることで、見る側の利便性が向上しました。
また、社内業務でも遠隔支援を実施し、現場への移動を減らして業務効率が上がりました。ICT推進/DX化により、残業規制、働き方改革、人材確保、などの課題解決への展望があります。

株式会社ジェイアール西日本ビルト

https://www.synq-platform.com/usecase/jrw-built

社内検査後の履行確認・シフト交代時の申し送り・管理者による作業現場の進捗等の確認で利用しています。現場を確認する管理者の移動時間が削減でき、多くの現場をフォローと指導ができるようになり、現場の様子を画面にてリアルタイムで確認をしながら若手社員の教育もできるようになった。 また、引継ぎ内容が視覚的に確認できるため、引継ぎ忘れや認識の齟齬、それによる問題の発生を抑制できるようになりました。

 

アプリ不要、ユーザー登録不要で誰とでもすぐ繋がる
SynQ Remote(シンクリモート)

建設現場は下請け構造もあり、すべての工程でDXというのは難しいです。
特に法人をまたいで、関係者全員がスマートフォンに専用のアプリをインストールするなどは、各社のセキュリティ上の問題から時間がかかったり、なかなか導入がかなわなかったりといったことも存在します。

しかし、現場仕事に特化した遠隔支援ツール「Synq Remote(シンクリモート)」はユーザー登録なしでPCやアプリから誰でも参加可能であり、現場全体で施工管理が可能です。これにより、現場のコミュニケーションが円滑になり、作業の効率化が実現します。

DXを活用することで、施工管理の負担を軽減し、生産性を向上させることができます。是非、あなたの現場でもDXの導入を検討してみてください。

✅【建設業向け】いよいよ4月から適用開始!働き方改革関連法まとめ
✅ 現場の遠隔導入どうやって進めた?~成功事例・失敗事例をご紹介~
✅ 遠隔導入の期待効果は?気になる稟議起案内容を解説!

シンクリモートの料金プランなど詳しくはこちらからお問い合わせください。

この記事を書いた人

デモ・ご利用事例・
料金プランの
説明を
Webで行なっています。


お気軽にお申し込みください。