遠隔臨場カメラとは?メリットや導入事例をわかりやすく解説

遠隔臨場カメラは、離れた場所からでも現場の状況をリアルタイムで確認し、効率的な業務遂行を可能にする革新的なツールです。本記事では、遠隔臨場カメラの概要や具体的な活用事例、さらにその導入によるメリットについて詳しくご紹介します。
遠隔臨場カメラとは?
遠隔臨場カメラとは、建設・工事現場で確認作業などを行うために用いられるカメラのことです。
リアルタイムで配信される映像や音声をもとに、遠隔地から現場確認を行います。現在の多くの建設・工事現場において使用されている、遠隔臨場システムの一つです。
遠隔臨場カメラは遠隔臨場システムの一つ
遠隔臨場とは、カメラによって撮影した映像、音声を利用し、遠く離れた場所から 通信システム等を通じて「段階確認」「材料確認」「立会」を行うことを指します。それに用いられるシステムを総称して、「遠隔臨場システム」と呼びます。
カメラの他に、遠隔でリアルタイムにコミュニケーションを取れる通話・会議ツールや、現場状況・指示などを担当者が互いに確認を行うためのクラウドツール、現場の状況を確認できるセンサーなどが遠隔臨場システムに含まれます。
遠隔臨場カメラの種類
遠隔臨場カメラにはさまざまな種類があり、それぞれの用途や特性に応じて選ばれます。以下に代表的なカメラの種類をいくつかご紹介します。
・ウェアラブルカメラ・スマートグラス
ウェアラブルカメラは、ヘルメットや胸部のポケットなどに装着して使用する携帯型のカメラです。
ウェアラブルカメラについて詳しくは「▶工事現場のウェアラブルカメラとは?一目で分かる製品比較表付き」 を御覧ください。
スマートグラスは眼鏡型のデバイスで、ハンズフリーで撮影できる点が特長です。どちらもリアルタイムでの現場確認が可能で、防水性や耐久性を兼ね備えた高性能なモデルが多く使用されています。
・360度カメラ
360度カメラは、全方位の映像を一度に撮影できるカメラです。
現場全体の状態や進捗状況を一目で確認できるため、効率的なモニタリングに役立ちます。一方向からでは見つけにくいリスクを発見する際にも大きな効果を発揮します。
・スマートフォン・タブレット
スマートフォンやタブレットを活用した遠隔臨場で、専用の機材が不要なため手軽に始められます。
一般的には、専用アプリを利用するサービスが多くありますが、シンクリモートではアプリ不要でQRコードを使った簡単な接続が可能です。このため、アプリのインストールが制限されている会社の端末でも柔軟に活用できます。
遠隔臨場カメラを導入するメリット
遠隔臨場カメラを導入することで、移動や安全性、作業効率など、多くの課題を解決できます。
それぞれの場面において遠隔臨場カメラの特徴を活かすことで、企業や現場の生産性向上にも期待が持てます。以下に具体的なメリットをご説明します。
1.移動コスト・宿泊コストが削減できる
遠隔臨場カメラを活用することで、現場確認のための移動や宿泊費を大幅に削減できます。
経費が抑えられるだけでなく、移動時間を他の作業に充てることが可能。結果として、効率的で無駄のない業務運営の実現が期待できます。
2.安全性が向上する
遠隔臨場カメラを使用することで、確認者が現場におもむく必要がなくなり、転落などのリスクを減らせます。
また、現場の状況をリアルタイムで把握しながら適切なアドバイスも可能です。俯瞰だからこそ見つけられるリスクなどもあるため、早急な是正措置にもつながります。
3.作業効率が向上する
遠隔臨場カメラを使えば、現場の状況をリアルタイムで詳細に確認できるため、時間毎に細かな指示が行えます。
また、その場でスムーズに指示を出せるため、意思決定が迅速化。作業より効率的に進行できるようになります。
4.若手人材の育成につながる
リアルタイムでのアドバイスを通じて、若手人材の指導やフォローがスムーズに行えます。
撮影した映像を活用すれば、研修用の教材としても役立ち、若手人材の成長促進につながります。
遠隔臨場カメラの導入事例を紹介
遠隔臨場カメラは、建設業界を中心に幅広い分野で活用が進んでいます。導入によって、現場の管理効率化やコスト削減が実現されています。
以下に、遠隔臨場カメラを導入して成果を挙げている事例をご紹介します。
●東京都建設局
東京都建設局では、旧江戸川しゅんせつ工事や路面補修工事などの現場において遠隔臨場カメラを採用しています。
旧江戸川しゅんせつ工事では2箇所を施工するもので、現場間の移動に30分、事務所から往復で2時間ほどかかり立会時間が長時間になることが想定されていました。
そこで遠隔臨場を活用し、施工状況の確認や安全確認、材料の検査、立ち会いなどで遠隔臨場カメラを利用してしたところ、移動時間がなくなり、効率よく立ち会いを行うことができました。
ただ、施工場所によっては映像や音声に乱れが生じることがあったようです。
シンクリモートを利用すれば電波の届かない現場でも遠隔支援が可能です。スマホ端末に保存した動画や静止画をオンライン環境で共有しながらポインターなどを使って現場と事務所でコミュニケーションを取ることができます。
●長野県建設部
長野県建設部では、現場の効率化・生産性の大きな向上を目指し地質調査や建設工事の受注者向けに遠隔臨場を導入しています。
ウェアラブルカメラを県庁などの機関に配備し、受注者に無償で貸与する仕組みを構築しています。
ここで採用されたカメラはザクティのウェアラブルカメラで、コンパクトな上に独自のぶれ補正機能を搭載しており、ブレない映像を長時間撮影することが可能です。
シンクリモートは2023年10月にザクティと提携し、ブレ補正・水平維持処理がされた映像上にポインタを表示しリアルタイムの視覚的な指示が出せるようになりました。
●谷川建設(シンクリモート)
谷川建設では、シンクリモートを活用して遠隔臨場を実施し、移動時間を含めた月間550時間の削減を見込んでいます。
DX推進の一環として、遠隔で図面を確認しながら若手同士で意見交換を行う機会も増加。効率性と若手育成の両面で大きな効果が得られています。
谷川建設の遠隔臨場導入事例について詳しくは「▶遠隔臨場で働き方改革!現場に特化したビデオ通話による技術承継を目指す」をご覧ください。
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