中古車鑑定を遠隔でサポート。若手でもベテランの知識や経験を頼りに素早く判定結果を出せる
事業内容
車両検査事業・データサービス事業
利用シーン
中古車の鑑定・品質評価
利用する人
新人からベテランまでの鑑定師
使用端末
スマートフォン・タブレット・PC
主な利用機能
ポインタ機能
遠隔撮影
音声テキスト
グループ通話
利用場所
ディーラーや中古車販売店などの訪問鑑定先
お話を伺った方
検査事業部門 ゼネラルマネージャー 安達康太
課題
- 新人が鑑定に迷うとき、上長が現場まで駆けつけて毎回サポートしており、タイムリーな判断ができず、移動コストもかかっていた
- 地域によっては人員や時間的制限の問題で、現地での指導や車両状態の確認ができないことがあった
- スマートグラスも検討したが作業性が良くなく現場利用には向いていなかった
導入効果
- 新人が単独で担当する現場でもタイムリーで正確な鑑定が行えるようになった
- 動画を通じて技術指導はもちろん、コミュニケーションを円滑化するツールにもなった
- (一部の地域で)ほぼ100%遠隔サポートによる車両確認や技術指導が現場に定着した
長い研修や経験が必要な中古車鑑定師
――鑑定のリモート支援を導入しようと思ったきっかけは?
私たちは、プロトコーポレーションのグループ会社で、中古車情報サイト「グーネット」の掲載車両に対する自動車の品質検査をメイン事業として展開しています。認定を受けた鑑定師がディーラーや中古車販売店まで出向き、展示車両を第三者機関として適切に評価し、透明性の高い情報提供によって、信頼性のある中古車取引を実現することを目指しています。
鑑定師には高度な技術と経験が必要です。当社では、新入社員に半年間の研修と3ヶ月間のOJTを提供し、教育に力を入れています。しかし、この研修期間の長さが故に、採用・育成可能な人数が限られ、鑑定師の供給が問題となっていました。また、研修後は新人もひとり立ちして、ディーラーや中古車販売店などのお客様先で鑑定を単独で行います。新人が判断に悩む際には上長の現場立ち会いが求められますが、上長も別の現場で鑑定を行っている場合、すぐに駆けつけられないこともあります。その場合はお客様と再度日程調整を行って鑑定先に出直す必要があり、多くの時間ロスとコストが発生していました。
これらの課題に対して、遠隔で新人の鑑定業務をサポートできれば業務効率化と鑑定品質の平準化、リモートOJTのような教育環境を提供できると考え、リモート支援ツールの導入を検討しました。
上長とのリモートコミュニケーションがOJTにも
――どのような経緯でSynQ Remote(シンクリモート)を選んでいただいたのですか?
最初にスマートグラスを試しましたが、作業性が良くなく我々の現場での使用には向かないと判断しました。さらに、1台あたりの価格が高く全国に展開していくのは現実的ではありませんでした。しかし、SynQ Remoteはスマートフォンだけでリモート支援が可能でコストも手頃でした。1ヶ月の試験運用後、現場から「使いやすく、視覚的なコミュニケーションができて便利だ」と好評だったため、正式導入を決定しました。
――実際に導入されてどのような効果を感じていますか?
まず、新人が一人で現場に行ってもお客様を待たせることなく、その場で鑑定を行うことができるようになりました。ビデオ通話だと判定の精度が落ちるかなと思いましたが、そのようなこともなく、地域によってはSynQ Remoteでの鑑定業務の支援がほぼ100%の場所もあるぐらい業務に定着しています。
また、いつでも気軽に上長のサポートを受けられるので、新人も安心して現場で鑑定が行えますし、そのコミュニケーション自体がOJTの役割も果たしています。SynQ Remoteを活用したリモート支援により、新人教育、業務効率化、そして鑑定品質の平準化の3つの効果を実現しています。
――この先の展開は?
現在は社内での運用ですが、将来的には社外向けの教育研修事業にも活用できると考えています。さらに、海外でも自動車の品質検査を行っていますが、日本からのサポートが可能になれば、ビジネスの拡大が期待できると思っています。