リモート工事監理検査で一人当たりの検査件数が増加
業種
建設業
利用シーン
建物の検査時(特に地盤補強検査と区画検査)
利用する人
現場監督・工事監理者
使用端末
Androidスマートフォン(現場)、パソコン(事務所)
主な利用機能
ポインタ機能
遠隔撮影
画面共有
グループ通話
利用場所
全国の建築現場と本社や各支店の工事監理者を接続
お話を伺った方
技術監理部 岩﨑和代様
課題
- 全国の現場をチェックするのに、工事監理者(検査員)の移動時間が課題になっていた
- 工事監理者の高齢化が進んでいるが、育成にも時間がかかるため人手不足が続いている
導入効果
- リモート検査の導入により工事監理者の移動時間や交通費が軽減
- 一人当たりの検査可能物件数が増え、限られた時間・人手でも対応可能に
大東建託の品質を保証するトリプルチェック
――岩﨑さんの技術監理部ではどんな業務をされているんでしょうか?
大東建託は建物の品質向上にとても力を入れていて、トリプルチェックを実施しています。トリプルチェックとは施工業者・現場監督・工事監理者の3者の検査員によって施工が完了した箇所の品質を確認することです。施主様に自信をもって建物をお引き渡しできるよう、工事の途中にも細かく何度もチェックを重ねます。
技術監理部は、そのチェックを専門に行う工事監理担当の部署です。工事監理者がOKを出して初めて次の工程に進むことができるという、品質を担保する上で非常な重要な役割を担っています。経験や知識の豊富なベテラン工事監理者が、出来上がると見えなくなる基礎や配筋なども、細部にわたり細かくチェックすることで、確かな品質の建物を施主様へお届けすることができます。
一年以上のリモートツール検討期間
――現場にどんな課題があってSynQ Remote(シンクリモート)を見つけられたのですか?
全国の現場をチェックするための工事監理者の移動時間が課題になっており、工事監理者を待つ間に施工をする協力会社側にも待ち時間が発生していました。また、監理者の高齢化も問題視されており、将来的には体力や移動時間の問題から現場に行くのが難しくなるのではという懸念がありました。
そういった課題から、工事監理者が現場に行かなくても、現地で行う検査と同等の品質を担保できるリモート検査というものを1年以上も探索していました。その中でSynQ Remoteに目が留まり、視覚的に指示が出しやすく社用スマホで利用できることからまずは試験的に導入を開始し、その後全社利用に踏み出しました。
――具体的にどういうシーンでSynQ Remote(シンクリモート)は役立っていますか?
まずは、工事監理検査の中の地盤補強検査と区画検査(住戸の間を仕切る壁の施工の状況の検査)を対象に全国でスタートすることにしました。まずこの2つの検査を選んだ理由としては、遠隔からでも検査精度が保てることが確認できたからです。
地盤補強検査では、主に材料確認(セメントの品番や鋼管杭の長さ・厚みの計測、撮影など)、位置確認(コンクリート打設前後の確認)、施工後の最終確認などにSynQ Remoteを利用しています。また、区画検査では、主に界壁(住戸同士を区切る壁)の施工状況の確認に利用しており、下地に断熱材が入っているか、ボードを正しく張れているか、隙間がないかなど、製品の品番を照らし合わせながら細かく確認をしています。
遠隔でも検査が可能な「映像品質」
――SynQ Remote(シンクリモート)のここがよかった!を教えてください
元々は別の汎用的な会議ツールで検査を行っていましたが、細かな確認をするためには画質の視認性に課題があり、リモート検査はうまく進みませんでした。そんな中、他の複数のツールも含めて弊社の現場の通信環境で一番画質や機能がよかったのが、SynQ Remoteでした。
ポインタ機能により双方向にやりとりができるため、より現場の検査と同じような形で検査が実施でき、操作も簡単だったため高齢のベテラン監理者でも容易に操作することができました。遠隔で検査が行えることで移動時間が削減され、一人当たりが担当できる検査の数も増えました。また現場側も工事監理者を待つ時間が無くなるため効率よく検査を行うことができるようになりました。
――今後はSynQ Remoteを利用してどのようなことを実現していきたいですか?
現在は検査2項目にSynQ Remoteを導入していますが、今後は品質を担保しながら対象の検査を広げ、より多くの検査検査員の業務改革、働き方改革を実施したいと考えています。
またリモート検査の導入により、タイムリーに確認する検査も実施できるため、検査の頻度や精度も高くなっています。きつい、危険というイメージがあり離職率も高い建設業界ですが、工事監理者の負担を無くしていくことで、検査員が長く楽しく働ける環境をつくりたいと考えています。