公共工事で自治体が受注業者にアカウント配布して活用。広域な都城市で往復1時間の移動を削減
業種
行政
利用シーン
材料確認、立会
利用する人
市の工事監督員、受注事業者の現場代理人
使用端末
PC(監督員)、スマートフォン(受注業者)
主な利用機能
ポインタ機能
お絵かき
グループ通話
遠隔撮影
利用場所
市役所と車で30分の距離にある現場
お話を伺った方
デジタル統括課 佐藤様 倉山様
課題
- 面積の広い都城市では、監督員が現場確認をする際、移動時間がかかりすぎていた
- 土質試験では1日に数回現場に立ち会う必要があり、その度に移動するのは非効率だった
導入効果
- 簡易な材料確認はすべてオンラインで完結できるようになった
- 現場に行かずに試験状況をチェックし、遠隔撮影で証跡も残せるようになった
- 作業が止まることによる受注業者のストレスや待ち時間を減らすことができた
都城市のDX思想
――デジタル庁の「デジタル社会構想会議」の構成員に都城市長が選ばれるほど、全国に先駆けたDX推進都市である宮崎県都城市。今回導入を推進いただいたデジタル統括課はどんな仕事をしているのですか?
都城市の様々な部署でデジタル化を推進するのが我々の仕事ですが、デジタル化が目的ではなく、それによって市民や企業の課題がどう解決されていくのかというところまで見据えて、ソリューションの選定やその浸透を図っています。
各部署から拾い上げた課題からそれに合ったツールを探す場合もあれば、まだ各部署では課題と認識されていない課題を我々が顕在化させ、それを打破するためのツールを導入する場合もあります。SynQ Remote(シンクリモート)を知った頃にはまだ現場での課題は顕在化していませんでしたが、必ず目に見える効果が期待できる分野だと直感し、複数の部署と使えそうな現場や用途について協議に入りました。
「遠隔臨場」における材料確認に
現在SynQ Remote(シンクリモート)を導入しているのは造成工事等の現場です。受注業者の現場代理人のスマホにSynQ Remote(シンクリモート)のアプリをダウンロードしてもらい、都城市からアカウントを付与する形で使ってもらっています。
最も利用頻度が高いのは材料確認で、側溝などのコンクリート二次製品や塩化ビニル管など工事で使用する材料が発注通りに現場に届いているか確認を行います。工事の進捗に合わせて新しい材料が入ってくるので、その都度土木部の職員が現場に向かわねばなりませんでしたが、現在では確認のうち簡易なものは現場に行かずにオンラインで完結できています。往復1時間かかる場所なので、その移動時間が削減できるのは大きいです。
――国土交通省の推進する「遠隔臨場」は「材料確認」「段階確認」「立会」を遠隔で行うこととされていますが、まさにその「材料確認」でお使いいただいているのですね。
工事では様々な土質試験を行いますが、1日に数回立会を行うことがあります。この立会自体は数分程度で終わるのに、わざわざ現場に赴いて立ち会うというのはとても非効率でした。そのチェックにSynQ Remote(シンクリモート)を使って、試験状況等をビデオ通話で共有しながら市役所から遠隔撮影し、その写真を確認の証跡とするということをやっています。
何か現場で問題が発生したときには、すぐにSynQ Remote(シンクリモート)をつないで情報共有し課題解決に向けたアクションがとれるため、現場を止める時間がありません。受注業者にとっても作業が止まるストレスと待ち時間を減らすという効果があります。
機能の揃っていないβ版モニター時代から使い続ける理由
――都城市さんにSynQ Remote(シンクリモート)を見つけていただいたのは、まだ正式版がリリースされる前のβ版モニターを募集している頃でした。その当時はまだ機能も少なかったですし、様々な不具合も残っている状態でしたが、なぜそのころから使い続けていただいているのですか?
現場に寄り添った、現場ならではの痒い所に手が届く機能と操作性を持っていると思ったからです。また数週間の頻度で新機能がアップデートされ、どんどん使いやすくなっていると思います。
今後まだまだ使える現場を広範囲に増やしていきたいですし、今使っている現場へのしっかりとした定着も図っていきたいと思っています。受注業者さんに浸透して、社内コミュニケーションでも使ってもらえるようになれば、業界全体の効率化にもつながると思っています。
今構想中なのは、公共施設の維持管理において修繕箇所確認での利用です。離れた「現場」があるところならどこでも、さらに幅広い使い方ができると思っています。