製造ラインを止めないリモート保守サービス
業種
製造業(産業用ロボット)
利用シーン
リモート保守サービスの一部として
利用する人
顧客(ロボットの納入先)と自社のコンタクトセンタの技術員
使用端末
スマホ(顧客へ貸与)、PC(コンタクトセンタ)
主な利用機能
ポインタ機能
画面共有
遠隔撮影
音声テキスト
利用場所
顧客の工場などロボット稼働現場
お話を伺った方
品質サービス本部 サービス企画部の皆さん
課題
- スマートグラスはコストがかかり、導入数を大幅に増やすことができず、リモートサービスの提供が限定的であった
導入効果
- 自社サービスマンのみならず、お客様によるメンテナンスをリモートでサポートが可能となり、よりスピード感をもったサービスが提供できるようになった
稼働停止時間をいかに少なくするか、安川式リモート保守サービス
――産業用ロボットを中心に、インバータやサーボモータなどあらゆる製造ラインのメカトロニクスを担う安川電機。同社の機器を納入した顧客先でのリモート保守サービスの一部にSynQ Remote(シンクリモート)を利用いただいていますが、リモート保守サービスとは具体的にどういうものなのか教えてください。
我々の製品は、「我々のお客様」や「お客様のお客様」の製品や商品の製造・生産という場面にご使用いただくものが多く、その設備が停止するとお客様の生産活動を大きく阻害することとなります。弊社が提供する「コネクトサービス」は、産業用ロボットの安定稼働の実現に向けて「止めないサービス」、「短時間復旧サービス」という2つのコンセプトで「故障の予見・予兆」、「復旧サポート」をリモート環境で提供する契約型のサービスです。もちろんリモートですべてのことが解決できる訳ではありませんが、「サービスマンが到着するまでお待たせしてしまう」という場面を減らせることができます。SynQ Remote(シンクリモート)は、後者の「復旧サポート」をリモートで効果的に発揮できるサービスアイテムの一つとして採用いたしました。
弊社サービスマンのバックオフィスからのリモートによるサポートについては、スマートグラスを装着して、その映像を共有して作業アシストを行ったり、Web会議システムで遠隔操作をしたりなど行ってきておりますが、これらをお客様をサポートするツールとして、そのまま展開するということは難しいと考えていました。
顧客にスマホを配布、スマートグラスには無い手軽さと機能
――すでにスマートグラスやWeb会議システムが保守サービスに組み込まれているのになぜ、SynQ Remote(シンクリモート)活用しようと思われたのですか?
スマートグラスを使った遠隔支援における最大の課題はコストです。スマートグラスは、お客様に両手を空けて作業してもらうことが可能ですが、我々が提供する遠隔メンテナンスサポートは、お客様自身による作業をアシストするというものばかりではなく、むしろ、どのような状態になっているのかを可視化情報で共有し、設備停止の原因がどこにあるのかなど、復旧にあたってのアドバイスやサポートを目的としているケースが多くあります。こういった場合にスマホで手軽に確認でき、なおかつポインタや音声認識機能など現場に適した機能が搭載されているSynQ Remote(シンクリモート)は手軽さと痒い所に手が届くという両面で必要なツールでした。
スマートグラスなどの専用端末の運用にはかなりの費用がかかりますが、SynQ Remote(シンクリモート)を採用することで、低価格で質の高い保守サービスを提供することが可能になりました。
今話しているのはどの部品のことなのか
――SynQ Remote(シンクリモート)の導入検討時には他のオフィスワーク用ビデオ通話サービスとの比較検討をおこなっていただきましたが、どんな観点で比較されましたか?
保守を行う製品には多くのセンサやコネクタ、部品があり、今説明しているのはどの部品なのかを正確に伝える必要があります。そういうときにSynQ Remote(シンクリモート)は、動画上にポインタを出してリアルタイムで指示ができますが、ポインタが出せない場合は映像を見ながら口頭でなんとか伝えなければなりません。同じような部品が並んでいる場合、それは簡単なことではありませんし、スクリーンショットを撮って印を付けて画面共有するのには時間がかかります。
保守サポートでは、交換方法の確認や指示を行う際に動画や資料を見せながら説明することもあります。そういうときにスムーズな画面切り替えができ、共有しているコンテンツの上にもポインタが出せる面ではとても利便性を感じました。
また、お客様のメンテナンスサポートだけではなく、弊社スタッフをお客様へ派遣して行うオンサイトサービスや海外のグループ会社の遠隔サポートとしてもSynQ Remote(シンクリモート)の活用を検討していきたいと考えています。「お客様の設備を止めない」「止まってもすぐに復旧させる」我々のサービスポリシーを実現するツールの一つとして活用場面を今後も検討していきたいですね。